2018年4月20日金曜日

kapha


カパタイプの養生法
カパはたんぱく質を消化吸収するのが苦手です。
ヴァータとピッタの作用を上げることで、カパの作用を穏やかにすることができます。次におすすめすることがらは、主に消化器官を温めたり刺激することで、カパ特有の緩慢さを抑えるのに効果的です。カパ体質には適度な刺激と十分な温かさが必要だということを覚えておいて下さい。


パート1 規則正しい生活

●規則正しい生活。あなたがカパの体質であっても、ヴァータ質がゼロというわけではありません。誰にでも備わっているヴァータ質のバランスをとるために、規則正しい生活は欠かせません。

ヴァータ質を整えることは、ピッタとカパを調整するのに役立ちます。カパの性質に適した滋養をつけるだけではなく、カパ体質には規則正しい生活をすることがとても大切です。

三つのドーシャの中でもヴァータの部分はとても感受性があり変化しやすいので、忙しい日常生活にストレスを受けると、誰もが不安になったり、神経質になったり、焦燥感に苛まれるというヴァータ的な症状を引き起こしやすくなります。これはカパ体質の人でさえ経験することです。

カパは興奮しすぎるということはあまりありません。それでもテンションは下げておく方が望ましく、規則正しい生活はそれを手助けします。

毎日なるべく同じ時間に起床すること、そして就寝すること。なるべく同じ時間に、食事、休息、排泄を行うこと。

毎日同じ時間に同じことをすると、体がそのための準備をするようになります。毎日決まった時間に食事をとるようにすると、インシュリン・グルカゴンのバランスとアグニ(消化・代謝の炎)を整えるのに役立ちます。すると、消化力と代謝がぐんと上がります。運動も毎日同じ時間にすると、より効果的です。カパは特に継続して体を動かすことが必要です。

規則正しい生活をするために、まずは最初の何週間分かのスケジュールを書きだしてみましょう。
もしカパが上がりすぎているのなら、規則正しい生活を習慣づけることによって、カパによる不調が改善されるでしょう。こういうちょっとしたことが、実はとってもパワフルで効果が大きいのです。


●白湯を飲む習慣。 浄化のため、そしてカパの冷たい性質を和らげるために、一日を通して白湯を何度かに分けて飲むことはとても効果があります。体温を上げると体に貯まった毒素を排出しやすくなります。お湯を沸かして、魔法瓶に入れて持ち歩き、仕事中や通勤中、30分おきに少しずつ飲みましょう。朝に3,4カップ飲んで、夜まで飲まないようなことではこのプログラムは効果がありません。一日を通して少しずつ飲むほど結果は良好です。

●フェンネルを食後に。  食後にフェンネルの種を噛むことは消化のプロセスを助けます。しっかり噛んで、しばらく口の中に留めてから飲み込むようにします。

●暖かくしておく。 カパの性質は「冷」です。カパは暖かく快適にして寒さを避ける必要があります。カパタイプはとにかく寒さに弱いのです。お気づきでしょうが、あなたは寒いと億劫がってあまり動かなくなりますよね。



パート2 カパを下げるダイエット

カパに適したダイエットは、ヴァータとピッタの作用を高めることで、カパの作用(重い、冷たい、鈍い、湿っぽい、動かない、ねばっこい)を減らすことです。
食べものが体に及ぼす作用を知ることで、どの食物がドーシャにどういう影響を与えるのかがわかります。

一週間に一度、もしくは一か月に一度、流動食だけをとる日を設けるとよいでしょう。
流動食は消化機能のストレスを減らし、浄化します。女性は生理一日目にこのダイエットを行うと効果的です。
スパイスを利かせた野菜スープがお勧めです。

カパの食餌法では、カパの冷性を中和するような温かい食事を心がけます。 
新鮮で質のよい、おいしくて栄養のある食べ物、バランスの取れた食事を取ることにさらなる注意を払いましょう。作りたての食事をいただくことが望ましく、ファストフードやパッケージフード、保存食、残り物や、栄養のない食べ物は、アーユルヴェーダの実践から遠くかけ離れています。しかしながら、私たちの現代の生活では意識的な努力なしにこのような食べ物を避けることはなかなか難しいのが現状です。

次に挙げるのは、カパが増えすぎないようにする食餌法です。
この食餌法では滋養を与えつつ同時に毒だしを行えます。カパを減らすには、ヴァータとピッタの作用を増やすような軽食が望ましく、蒸し野菜、豆類、スパイシーな料理と軽い穀物、そして利尿作用のある食品が最適です。

●増やしたいのは
温かい食事
軽食
油分の少ない食事
辛いもの(クミン、クローブ、ショウガ、マスタードシードなどのスパイス)
苦いもの
渋いもの
大麦、きび、そば、ライ麦
温野菜
豆類(大豆といんげん豆は除く)

●減らしたいのは
冷たいもの
こってりした食事
甘いもの(はちみつ以外)
酸っぱいもの
塩辛いもの
乳製品(ミルク、バター、ギー)
米、小麦、コーン、カラス麦などの甘い穀類
バナナ、ココナッツ、パイナップル、いちじく、デーツ、アボカド、オレンジ、メロンなどの重い、酸っぱいフルーツ
生野菜(寒い季節)
ナッツ類
魚介類、赤身の肉、豚肉


●まずは食べ過ぎないように注意しましょう。
カパはピッタほど食欲旺盛ではありませんが、食べ過ぎてしまいがちです。体格のいいカパは一番食欲があると思われがちですが、ピッタにはかないません。
カパが大きくどっしりしているのは、消化システムがとても効率的だからです。ヴァータはカパよりたくさん食べても太りません。カパは食べなければ太りませんが、食べればしっかり太ります。カパは本質的に代謝に違いがあるのです。内胚葉組織の優勢(胃腸部のシステムの内側にある)と関係があり、ホルモンは炭水化物に反応するのです。ヴァータとピッタはきちんと食事しなければなりませんが、カパは、一度や二度食事を抜いてもかまいません。

●落ち着いてくつろいだ雰囲気の中で食事をとることはどのボディータイプにも大切ですが、カパにとっても例外ではありません。「ながら食べ」は、心と体を目の前の仕事から遠ざけることになります。カパタイプはテレビを見ながら食べるのを楽しむ傾向がありますが、それでは食べ物の味わいを減らしてしまいます。食後はすぐに活動するより、消化の第一段階に集中できるようにリラックスしましょう。しっかり消化することは、体の健康のためにとても大事なことです。

●菜食。 アーユルヴェーダによると、動物性たんぱく質をなるべくとらないことが健康的な食と言われています。食べたものが消化されないと、アマ(消化されない固まり)を作り出すことになり、アマの蓄積は病気を引き起こします。
効率的とはいえ消化がゆっくり緩やかなので、カパ体質の人にとって肉食は有害になりえます。肉類は高タンパクですが、脂質も多く含んでいます。カパのゆるやかな消化機能では、脂質はより効率的に吸収され、体重増加につながります。それはカパのバランスを崩してしまいます。ヴァータやピッタと同じように、カパにとっても肉類の摂取は控えるほうがいいでしょう。

●ギーを取り入れる。 カパ体質の人もギーを少々食事に取り入れるといいでしょう。ギーとは発酵バターを精製したピュアな乳脂肪です。ただし、コレステロール、中性脂肪の高い人、脂質代謝に問題のある人は避けましょう。

カパ体質に適した食事の割合は
たんぱく質30%、炭水化物40%、脂質30%



パート3 養生

●ヴァータやピッタと違って、カパ体質の人がカフェインをとってもエネルギーを乱すことはありません。コーヒーやお茶のとりすぎは基本的に良くありませんが、カパの機能に対してはダメージが少なめです。カパは、まれにカフェイン中毒になりますが、それはどうやら寝床から抜け出るためのようです。

●朝一番の湯飲。 朝、排泄を促すために一杯の白湯を飲むことから一日をはじめましょう。そうすることで蠕動運動(腸を空っぽにする結腸の筋肉の収縮)が促されます。カパの生理機能は、ゆっくり緩慢な消化と排泄になりがちなので、これを毎日行うといいでしょう。

●静けさ。 カパは性質の一部として、ヴァータの要素を持っています。静かなくつろぎは、ヴァータの作用である心配や不安を引き起こす交感神経の疲れをしずめるのに役立ちます。リラックスすることは副交感神経を優位にし、体に滋養を与え充電します。カパにもこういう時間は必要です。人生において起こることを静かに受け入れることは、精神的、感情的健康を増進します。

●昼食をメインに。 日中に仕事をしていると、弁当を食べるかさっと外食するかなので、昼食をしっかりとることはなかなか困難です。しかし、消化力は11時から14時にもっとも強くなるので、昼にいちばんしっかりした食事をとることが理にかなっています。
夜遅い時間に食事をとった次の日の朝は、胃もたれを感じた経験が誰にでもあると思います。それは食べたものがしっかり消化されておらず、まだおなかに残っているということです。こういう状態が続くとさまざまな病気をひきおこします。カパタイプの人は夕食はごく軽めに。少なくとも就寝2時間前には食事を終えるようにしましょう。

●刺激。 静けさは、体に滋養を与え充電するには必要ですが、カパを整えるカギは、刺激になることを生活に見出すことです。カパのバランスの崩れは、人生を体験しに寝床からがんばって起き上がれないような時に起こりがちです。カパのエネルギーはとても大地に根ざしていて、どっしりしています。カパの内的本質は静かで、平和的です。平和的なのは結構ですが、淀んでしまうのはよくありません。テレビのリモコンを開発したのはきっとカパでしょう。カパの緩慢なエネルギーを調整するには、性質の中のピッタとヴァータの部分を目覚めさせる必要があります。そうすれば、起き上がって、人生を体験しに出かけられます。一度起き上がって出かければ、カパはヴァータやピッタよりももっと遠くへ行くことができ、より目的を達成することができます。

●休息。 カパタイプは、ちゃんと休息の仕方を知っています。ヴァータタイプは倒れるまで動き続け、ピッタタイプは回復不可能なところまでやり続けますが、カパタイプはちょっと休憩することの利点を知っています。そう、その通り。休憩をとることは、明晰さを増し、疲労や緩慢さを減少させるのです。

●運動。 カパにとって運動は良いというだけでなく、絶対に必要です。カパの緩慢さには喝を入れなきゃなりません。カギは、好きなエクササイズを見つけることです。見つけて、行いましょう。頻繁に行いましょう。有酸素運動などはとても効果的です。

●セサミオイルマッサージ。 寝る前に温めたセサミオイルでマッサージしましょう。全身に塗る時間がなければ、足手とおなかにオイルを塗ります。カパはオイルが必要というわけではありませんが、深いくつろぎ、安らかな睡眠を得られるという特典があります。

●くつろぎ。 ゆっくり静かなカパの性質は、ほぼいつもくつろいでいる状態ですが、それでも就寝前にはリラックスする時間があるといいですね。ヴァータは絶え間なく動き続ける傾向にあり、ピッタはもう少し目的がはっきりしていそうですが、めずらしくカパが起き出すと休まずに動いてしまうので、ヴァータやピッタと同じく、一日の終わりには、緊張をほぐしてくつろぎましょう。

●早めの就寝。 夜遅い時間に興奮しすぎるクセをつけてしまうと、カパにとって早く就寝することは困難になります。カパは疲れていてもそのままやり続けることができてしまうので、就寝前にはくつろぎの時間をもつことが必要です。最適な就寝時間は午後10時です。10時までに寝ることができれば、朝の5時か6時に、もっとずっとリフレッシュして目を覚ますことができます。これはカパだけでなく、どのタイプにも大切なことです。神経系統は睡眠中に癒され、消化プロセスも睡眠中に完了するのです。

●体重制限。 カパは食べ物を見ただけで、体重が増えてしまいます。悲しいけれど真実です。それゆえ、体内のカパ作用を減らす食餌法をしっかりと実行する必要があるのです。甘味はカパを増やし体重を増やすので、食事から甘味を減らすことを心がけます。甘味の取りすぎはカパの病である糖尿病を引き起こします。


パート4 健康と幸福のためのエクササイズ

●瞑想。 毎日の瞑想は、カパの本来の平穏さと満たされた質をさらに強めるのに役立ちます。精神にとっての解毒作用です。あなたのライフスタイルや性質にあった瞑想法を探して、ひとつふたつ習ってみるとよいでしょう。

●怒らず、憂えず。 カパは動揺、怒り、不安に陥りにくいとはいえ、これらの感情はいつも身体に不調和をもたらします。怒ったり、心配したり、動揺したりする状況はできるだけ避けたいものです。それらは状態をさらに悪化させます。もし、仕事が怒りや動揺を引き起こすようなら、他の仕事を探す必要があります。いつも経済的な不安があるなら、ストレスを減らすために諸経費を削減する必要があります。誰かに腹を立てているなら、彼らを許す必要があります。

●夜間の行動は避けましょう。夜に何かし始めると、何をしているかにかかわらず、心や感情は最後までやりとげるという意志でいっぱいになります。これはヴァータとピッタの作用を高め、眠りにつくのを妨げます。睡眠中も良く眠れないことがしばしば起こります。夜は激しい活動は控えて、くつろぎの時間を過ごすようにします。

●許すこと。「許し」はどんな薬よりも効果があります。「憤り」はそれがどこに向かおうと、病気を引き起こします。許すことはヒーリングです。許しはヴァータとピッタの作用を減らします。アーユルヴェーダ的にはカパはその静かで平穏な性質のおかげで、許容範囲が広いはずです。

●太陽礼拝。 ヨガの太陽礼拝は、素晴らしい一日の始め方です。無理をしないでゆっくり行えば、これらのポーズは全身に柔軟さと強靭さをもたらします。まずは太陽礼拝を6セット始めてみましょう。カパさん、覚えておいて下さい。あなたにはエクササイズが必要です。

●生理日の休息。 アーユルヴェーダによると、生理の1日目2日目に休息することは女性にとって重要なことです。完全に休息することが無理なら、この間はできるだけ仕事を減らしたいところです。私たちの住む現代社会ではこれは難しいことかもしれません。雇い主はたいがい、私たちが仕事をしないで家にいて休むことにいい顔をしませんが、それでもできる範囲で、休めるときにはなるべく休みましょう。

                  ~アーユルヴェーディックダイエットより




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